時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
ベテランから若手まで表具師70名が所属する京都表具協同組合(所在地:京都市右京区 理事長 田中善茂)では、京都表具協同組合主催『第63回 表美展』(表装美術展)を開催いたします。『表美展』は六十年以上の歴史を持ち、京都で育まれた京表具(掛軸、額装、屏風、襖など)の本物の美と技の集大成をご高覧いただけます。本年は、明治150年記念展を併催し、明治に由来する作品を展示するなど、見どころが満載です。また会場内に「お客様なんでも相談窓口」を設置し、京表具の新調、修理についてのご相談に無料で応じます。
会場は岡崎に位置し、近くには美術館や平安神宮、疎水など観光スポットが点在しており、秋の一日の美術散策としてより多くの方に御来場いただき、京表具の魅力に触れていただきたいと考えております。
よろしければ、取材ならびに紙面等へ掲載をご検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
第63回 表美展(表装美術展)
入場料無料でございます。お気軽におこしくださいませ。
- 〈会期〉平成30年10月13日(土)~14日(日) 10時~16時
- 〈会場〉京都市勧業館(みやこめっせ) 地下1階 特別展示場 地図はこちらをご覧ください。
- 〈主催〉京都表具協同組合
- 〈共催〉京都府 京都市 京都府中小企業団体中央会 京都商工会議所
- 〈後援〉近畿経済産業局 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会 京都新聞 KBS京都
開催主旨
京表具の魅力をひとりでも多くの方に知って頂くために
生活の洋風化に伴い、和室離れが進んでいる昨今ですが、反面、京町家をリノベーションした飲食店・雑貨店が増えており、街や観光地には着物姿で歩いている若い方をたくさん見かけることから、現代生活においても「和」を求められているのではないかと思われます。「表美展」では、京の表具師の技と感性を結集した作品を展示し、一般来場者の皆様にも広くご鑑賞いただけます。本物の京表具(掛軸、額装、屏風、襖など)に触れることで、京表具の魅力を再発見して頂くと同時に、和の暮らしについて改めて見直すきっかけになっていただければと願っております。
掛軸をはじめ、約60点の作品を展示予定
明治150年記念展併催
今から150年前に、徳川慶喜が二条城で政権を天皇にお返しする大政奉還が行われ、元号が明治に改められました。本年度は、明治150年の節目の年にあたります。「京表具」は明治維新以降、近代化とともに美的な生活様式を志向する町衆文化に支えられ、西陣織の精巧で優れた技術、茶の湯の文化、明治画壇の高い芸術性に大きな影響を受けて発展してきました。すなわち明治時代の活力、旺盛な創作意欲こそが「京表具」の発展の原動力となったと考えます。
表美展において、明治150年記念作品展を併催し、明治に由来する作品を展示することで改めて明治から150年の「京表具」を顧みたいと思います。当時の原動力を知り、困難の時代をいかに乗り越え、どのように発展へと導いたのか。明治から学び、未来の「京表具」を考える機会とする所存です。
「お客様なんでも相談窓口」の設置
会期中、「お客様なんでも相談窓口」を設け、当組合所属の表具師が京表具の新調、修理についてのご相談に無料で応じます。「ひとりでも多くの人に京表具の魅力を伝えたい」、「ひとつでも多くの京表具を美しく修理したい」、そのような気持ちでお待ちしております。組合員一同が誠心誠意、ご相談に応じます。
新しい和の灯り ランプシェード「折灯華」を製作展示
優しい和紙の灯りが大好評。問い合せ殺到中。
「折灯華 setto-ka」とは、和紙加工紙を折り紙のように折って、華やかに仕立てた「ランプシェード」です。
古くから親しまれてきた“折り紙”を、屏風や掛軸の製作・襖や行灯の和紙を張替える“京表具の技”と“最先端の折り紙設計(*)デジタル技術”、伝統柄の“京からかみ”と掛け合わせ、現代のライフスタイルに合わせた、今までに無いモダンなデザインの「ランプシェード」に展開しました。
和紙加工紙には“京都のからかみ職人”が施した伝統柄を版木で摺り、“京表具師”が型に合わせて筋目を入れ、折りと張込みを行います。
ランプシェードには骨格となる木などのフレームが無く、和紙加工紙のみで立体化されているため、今までに見たことも無い、華やかで美しい折り目の表現が可能になりました。
(*)折紙設計ソフトウェア“ORI-REVO”(筑波大学三谷教授による開発を用いて設計し、DENSANフォーラム事業により製作しています。