第67回表美展の受賞作品をご紹介致します。各画像はクリックすると拡大してご覧頂けます。

賞名 種別 堂号 氏名 作品名
経済産業省製造産業局長賞 衣川松栄堂 衣川 充洋 祇園祭
近畿経済産業局長賞 ㈱静好堂中島 河村 律子 不苦労
京都府知事賞 ㈱静好堂中島 中島 文雄 古画兎図
京都市長賞 加納雲錦堂 幸島 且敏 かるた
京都府中小企業団体中央会会長賞 錦主庵 味元 謙児 曠然自適味
京都商工会議所会頭賞 藤田雅装堂 藤田 幸生 モス -moth-
京都府職業能力開発協会会長賞 ㈱弘誠堂 田中 健太郎 二字書
京都新聞賞 ㈲松錦堂 内藤 隆博 雨季の余白
表美賞 ㈱静好堂中島 太田 成美 秋萩
京都府知事賞(青年会) ㈱静好堂中島 中島 匠
京都市長賞(青年会) 夜天堂 宮岸 篤史
京都府中小企業団体中央会会長賞(青年会) 藤田雅装堂 藤田 幸生

経済産業省製造産業局長賞

第67回表美展・経済産業省製造産業局長賞 / 衣川松栄堂 / 衣川充洋 / 「祇園祭」

衣川松栄堂 衣川充洋「祇園祭」

この度は、経済産業省製造産業局長賞を受賞させていただき、ありがとうございます。
表美展、三年ぶりの開催にあたり、京都の祇園祭も三年ぶりということでしたので、何かここから始まるのではと思い、題材に祇園祭と決めて制作しました。
長刀鉾の神紋をデザインに取り入れる為、裂地を神紋に切り抜き、裏側から別の裂地を嵌め込むことをしました。
少し大変な作業でしたが、心…自分の思いを大事にして作り上げました。
この作品が評価されたことは本当に嬉しいです。
この賞に恥じぬよう、これからも、日々の仕事を大切に、研鑽していこうと思います。
私は京都表具協同組合、皆様に育てて頂いたと思っております。これからも、懲りずに、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

衣川松栄堂 衣川充洋

近畿経済産業局長賞

不苦労-河村律子
不苦労-河村律子

株式会社静好堂中島 河村律子「不苦労」

この度の受賞に際しまして、皆様には深く感謝しております。また、大変ありがたく、厚く御礼申し上げます。
先日博物館へ行ってまいりました。高価な茶碗がありますが原料はただの土なのです。それは出来上がった結果が芸術になっているから高価なのです。昔の茶人は、そういうものを能く審美的に窮めているので、漆に関する事も年数を経てそれから良い美を発見し、陶磁器でも中国、ペルシャ、朝鮮、日本の良い物をよいものと見る力を持っています。逆に、皆様ご承知の立派な庭園がありますが、茶道に関係のなかったものがないのでは。点茶は茶道の一部分であって、茶道とは何と美的情操教育の範囲が広い学問かと感じました。日々の生活の中で、何だこれはと、うかうか本当の下手かと思っていたら、見る方が下手だと気付く事があります。相対的な価値観はあるにしても、自分でそのものをしっかり見つめた上で、本来の魅力をよくよく確かめるという姿勢が大切だと思いました。
これからも、人格の陶冶に努め、自分らしいものづくりが表現できればと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

株式会社静好堂中島 河村律子

京都府知事賞

古画兎図-中島文雄
古画兎図-中島文雄

株式会社静好堂中島 中島文雄「古画兎図」

第67回表美展の開催に当たり役員・組合員様お疲れ様でした。
この度は、栄え有る賞を頂戴し心より御礼申し上げます。
三年振りの表美展で作品も三年越しに長い期間を掛けての出品に思いもひとしおでした。
皆様の出品も凝った作品が多く一気に溢れ出た感じでした。
私も久しぶりに額装にも挑戦し今回、額装での受賞は表美展での初めの事で大変喜んでおります。
残る人生を後継者の育成と死ぬまで勉強との思いを大切に生きて参ります。
田中理事長の下、表具協同組合の益々の発展祈願と微力ですが協力させて頂きますので、今後共に宜しくお願い申し上げます。

株式会社静好堂中島 中島文雄

京都市長賞

かるた-幸島且敏

加納雲錦堂 幸島且敏「かるた」

この度は、京都市長賞を受賞させていただき誠にありがとうございます。
京表具の世界に入り10年、全く未知の世界に飛び込み諸先輩の教えを頂きながらの結果なので、とても感謝しております。今回の作品は伝統的な表具に仕立てておりますが、近年では若手のアーティストの方に伝統工芸を知って頂くために、これからもいろいろな作品に携わらせていただきたいと思っております。より多くの方に表具の美しさを広めていくとともに、技術の向上に努めてまいります。
今後ともご指導ご鞭撻を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。

加納雲錦堂 幸島且敏

京都府中小企業団体中央会会長賞

曠然自適味-味元謙児
曠然自適味-味元謙児

錦主庵 味元謙児「曠然自適味」

この度、京都府中小企業団体中央会会長賞をいただきました味元です。何度いただいても、嬉しいものです。
今後も皆様に評価していただけるように、努力精進していきたいと思います。

錦主庵 味元謙児

京都商工会議所会頭賞

モス -moth- -藤田幸生
モス -moth- -藤田幸生

藤田雅装堂 藤田幸生「モス -moth-」

この度は、栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。
喰い裂を用いた出品は二回目で第59回に掛け軸を出品しました。
次は、と冗談半分の好奇心で始めた事が、とんでもない苦行の様な制作になりました。
制作期間は約2年位。
やっても、やっても進まず、丸一日しても1cmも進みません。
楽しい時は最初と最後の2周くらいで、見るのも嫌になる日もありましたが、
なんとか完成にこぎつけ、見られた方の笑顔で報われました。
この様なモノにお披露目の場を与えていただけた事に感謝いたします。
今後も、何か楽しんでいただける作品作りを自分なりに考え精進しますので
ご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

藤田雅装堂 藤田幸生

京都府職業能力開発協会賞

二字書-田中健太郎
二字書-田中健太郎

株式会社弘誠堂 田中健太郎「二字書」

今回は京都府職業能力開発協会会長賞を頂戴し大変光栄に思います。
弘誠堂の強みである大幅の表装を評価して頂きありがたく感じております。
今後とも技術の上達に邁進していきたいと考えておりますので、至らない点ばかりですが、どうかご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

株式会社 田中健太郎

京都新聞賞

雨季の余白-内藤隆博
雨季の余白-内藤隆博

有限会社松錦堂 内藤隆博「雨季の余白」

この度は京都新聞賞を頂き、誠にありがとうございます。
こちらは、30年来の付き合いのある染色作家の鳥羽美花先生よりお預かりした作品になります。
本紙自体が鮮やかな色をしており、合わせる色が難しいところですが、本紙が一番引き立つよう、仕立てさせていただきました。
これからも皆様方からのご指導の程、どうぞよろしくお願いいたします。

有限会社松錦堂 内藤隆博

表美賞

秋萩-太田成美
秋萩-太田成美

株式会社静好堂中島 太田成美「秋萩」

この度は表美賞を賜りましたこと大変嬉しく思います。
ご指導頂いた先輩方、支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。
今回の額の制作にあたってはイメージを形にすることの大変さを感じ、本紙を引き立てる形態や色彩素材の取り合わせについての学び、技術面での課題を得ることができました。
これからもより一層の努力を積み重ね技術を磨くと共に知識を深めながら、常に丁寧な仕事を心がけてまいりたいと思います。
今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます

株式会社静好堂中島 太田成美

京都府知事賞(青年会)

飲-中島匠
飲-中島匠

株式会社静好堂中島 中島匠「飲」

この度は、青年会から知事賞を受け賜りまして、ありがとうございました。
作家さんが、表美展の後にすぐ個展をされると聞き、床の間もない、場所の開催で現代アートに近い設えにして欲しいとお聞きした中での取り合わせの作品にしました。
今後、床の間も少ない中で、身近に一般の方が簡単に飾ってもらえる様な作品も作っていき、表具業界が、少しでも盛り上がっていけるように頑張っていきます。

株式会社静好堂中島 中島匠

京都市長賞(青年会)

明-宮岸篤史
明-宮岸篤史

夜天堂 宮岸篤史「明」

この度、市長賞を賜りありがとうございます。
今回表美展の青年会出品作品は、古代文字アート集団「天遊組」とのコラボとなっており、この本紙をどう表現するか、青年会員はみなそれぞれの持ち味と技術を活かして表装しておりました。その中で掛軸としては一番高評価を得られたことは大変うれしく思います。
来場者に青年会コーナーの出品作品について、本紙に書かれた漢字の原点ともいえる古代文字の成り立ちを解説し、それを踏まえたデザインを説明し、そこに使われた技術を解説すると皆さん絶賛して楽しんで帰られました。
洋間が増え、床の間が減った現在、施主とよく話し合い、アートタッチの表具をもっと出していくことで需要が高まるかもしれないとのコメントをいただきました。

夜天堂 宮岸篤史

京都府中小企業団体中央会会長賞(青年会)

喜-藤田幸生
喜-藤田幸生

藤田雅装堂 藤田幸生「喜」

この度は、栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。
今回、天遊組・杉山裕信氏にご協力いただき、古代文字『喜』を仕立てる事になりましたが、古代文字の経験が無く悩みました。
自分なりのテーマは、和洋問わずどこでも掛けてもらえる軸。
まず、形式はたぶん丸表具が多いかな?と思い、普段ではしないであろう仏仕立てを意匠としてあえて選びました。
裂地は古代文字なので、真新しい裂地より少しムラが有る方が合うと思い、それぞれに動きや奥行きが出る様に染めました。
スジは無地一色だと堅苦しくなると思い、更紗で表情を付けました。
仕立ててみると、裂地とスジのお陰で仏仕立ての堅苦しさが柔らかくなり、掛け軸に表情が出て古代文字『喜』に合わせられたかなと思っています。
掛け軸には本紙によって形式(真・行・草)がありますので、それらを勉強して今後に活かしていきたいと思います。
青年?会。まだまだ未熟者ですので皆様のご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

藤田雅装堂 藤田幸生